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『 東高二十年の思い出から 』 その1 「今は昔」 から 「仮装行列」 へ (前編)  ( 創立三十周年記念誌 「 あこがれやまぬ こころいだいて 」 から転掲 )

『 東高二十年の思い出から 』 その1 「今は昔」 から 「仮装行列」 へ (前編)

 創立3年目の体育大会から、その昼食休憩のあと、しばし東高の運動場は大爆笑の渦につつまれた。この時にはじまった「今は昔」という種目で、各HRが自分達の担任の先生を、要は昔の人に仮装させる競技である。日常は謹厳な先生、こわい先生、おとなしい先生等々が、みている間に出来上っていく変身ぶりが、喚声や笑いを誘ったのである。仮装が終わると、何人かのやはり仮装したお附きの生徒達と運動場を一巡する。その間に審査員(担任外の先生や、父兄や生徒の代表)の評定が行われ、総合的な順位を競った。

記憶はだいぶん薄れたが、例えば、裸で背むしの格好で鎖をひきずりながら歩かねばならぬ、ちょと気の毒な「ノートルダムの背むし男」、同じく裸で大きな十字架をかつがせられた「キリスト」、小道具(?)に本ものの犬まで用意されていた「西郷隆盛」など………また、今は亡き獅子吼先生の「丹下左膳」は見事に決まっていたし、「楊貴妃」だの、「クレオパトラ」だの女装させられた先生達の顔のおしろい(何を使ったものか?)はやたらに白く、グロテスクな美女達も何人も生まれた。自分のこととなると、もうすこし記憶は鮮明だが、順不動で去来するのは「一寸法師」(おわんの舟があったかどうか?)「坂田金時」(赤いよだれ掛けをして、熊に扮した太ったS君におんぶして貰った)「孫悟空」(一振りするとさっと長く伸びる如意棒があった)「鞍馬天狗」(昼休みの殺陣の練習が大変)など------照れ臭く、なつかしい思い出である。先生達からすれば、この少しの間は、自意識なぞかなぐり捨てて、生徒と一緒に馬鹿をするとき、それには同時に、創業間もない東高を先生・生徒ともどもに創っていこうとの師弟同行のあらわれの一つ、という共通理解があったと思う。(つづく)

静岡東高旧職員 寺部昭夫 (文責:永野達弘)

記事作成 : 静岡東高旧職員 寺部昭夫

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